【AWARD】「第20回ダイワハウスコンペティション」で本研究室所属の学生が佳作を受賞しました
- takeilabotna2
- 11月27日
- 読了時間: 2分

「ぼくの帰宅大作戦」
上林 竜也(4期生)
飯田 雅(4期生)
廣澤 陸(5期生)
河邊 拓実(6期生)
中矢 晃輔(6期生)
学校から帰ってきた玄関の前で家の鍵を忘れたことに気づく。
両親は仕事で夜まで帰ってこない。
このまま待ちぼうけを食うにはいささか退屈すぎる。
どうしても家に帰りたい。どうにかして帰りたい。
目の前に家はあるのに、帰りたくても帰れない。
毎日、息をするように帰ってくるこの家が、今はとてつもなく『帰りたい家』である。
ーーーふと、自室の窓に鍵をかけていないことを思い出す。
何としてでも家に帰りたいぼくの、新たな帰宅路開拓のはじまりである。
玄関から入れない今、頼りになるのは外構と外壁のみ。
生活とは切り離されたものとして捉えられがちな装飾的な外壁や仕上げも、このときばかりは、身体感覚と密接に関係して機能する道具となる。
柵の網目に手をかける、竪樋を登る、倉庫にある箱を台にする、窓枠に足をかける……
そこで、家の内側ではなく、外壁や外構などの家を取り巻く環境を設計する。
提案するのはあくまで、散らばった「きっかけ」たちを自身の身体感覚と結びつけるプロセスである。
ぼくは、家の外側で断片として現れた要素を自らの身体に基づいて把握する。
と同時に、要素の関係を読み解き、あらゆる侵入方法を導き出す。
熱烈な「帰りたい」気持ちを孕んで挑んだ帰宅大作戦は、心躍る体験として胸に刻まれる。
身体感覚が養われていく場が家のナカで完結することなく、家のソトにも拓かれていくことで「帰りたい家」の概念もまた、拡張されていく。
