長い時間の中で育まれたものは豊かである。単純明快で、強く、美しい。古来より日本では蔀戸によって風雨、寒さから身を守ってきた。戸をひゅっと開けると風が抜け、がばっと開くと暑い日差しを避ける庇にもなる。家と庭、家と都市の間に蔀戸をすべりこませて、角地そのものが豊かな空間になるような生きた家を目指した。