拓かれる建築都市の真ん中に現れるがらんどうはかつてのガソリンスタンドである。モビリティを受容するおおらかな空間は機能を失うとたちまち非機能的空間のように放置されてしまう。ここでは実在する廃ガソリンスタンドの図面をもとに建築行為のカケラを拾い集め、それらを咀嚼し構築する。集められた3つのカケラ「歪み」「足元のこと」「線の奥行き」それぞれから導き出される空間はこれまでがらんどう空間を切り取っていた二つの境界に綻びを生み、やがてそれら境界が隔てていた三つの世界を開拓する。