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「ゆらぎ」のある建築
京都工芸繊維大学 卒業制作
学内優秀賞
制作者:高垣崚
用 途:消防署

「ゆらぎ」のある建築 ーコンバージョンを前提とした、ブリコラージュを用いた設計手法の提案ー
グローバライゼーションや技術の進展などによって、私たちの生活スタイルは数年で劇的に変化しています。それに比べ建築の寿命は非常に長いものであるため、人々のニーズと建築に求められる機能の乖離は大きくなるばかりです。そのような状況において数十年、数百年先まで、建築を竣工時と同じように使い続けていくことは難しくなっていくのではないでしょうか。
私は、これからは、建築が長い時を経ても活き活きと使われ続けるような建築が必要と考えます。コンバージョン前提の建築と言っても良いかもしれません。身近な例を挙げると、ありあわせの道具と資材でつぎはぎに作られた工作物や家具は、一見すると偶然にできた産物に思われがちですが、次の使い手や世代に引き継がれ、新たな使い方や用途が発生し、使い倒され続けることがあります。これを「ブリコラージュ」といいますが、モダニズムの機能とかたちの一対一対応とは異なる、機能とかたちの一種の「ゆらぎ」の関係にあると考えます。
この計画や用途に縛られない「ゆらぎ」のある建築を目指します。その「ゆらぎ」は日常の予測不可能な出来事を許容し、次の形態の変化を予感させます。ブリコラージュの構造を建築の設計手法に応用し、建築と人の関わり方を考えました。そして、人の記憶や文化の痕跡を蓄積しながら、緩やかに社会の変化に応答していく、時間を含んだ建築を目指します。移転予定にある京都北消防署の再設計を行うことで卒業設計としました。



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